自己破産による影響

自己破産すると退職金はどうなる?退職金受け取り前に手続きした場合

投稿日:2017年9月26日 更新日:

「自己破産すると、今後もらえるはずの退職金が財産として全額差し押さえられるのでは!?」

長年勤めてきた方にとって、退職金は将来の生活にもかかわるくらい大きな額となっている場合が多いですよね。

そんな積み重ねてきた努力の結晶が、自己破産によってすべてなくなってしまう…。

そんな恐ろしいことがありえるのでしょうか。

 

退職金が「全額没収される」ということは、法律で規定されているためあり得ません。

また、最も重要なことは、退職金を受け取る前なのか後なのか、ということです。

このページでは、自己破産すると退職金がどのように扱われることになるのかご紹介していきます。

 

このページでわかること

自己破産すると、一般的に退職金債権の1/4が差し押さえられます。

しかし退職していないのに会社に退職金債権を請求すると、自己破産のことがバレてしまいます。

これを避けるため、破産者が破産管財人に退職金債権の1/4を支払うのが一般的です。

また退職金の1/4の支払いが困難な場合があります。

そういった場合は自由財産の拡張により、160万円以下の退職金は処分の対象にならない、というケースもあります。

詳細は本文を確認してください。

自己破産すべきか迷っている方へ

 

自己破産による退職金の差し押さえ。ケースごとに詳しく解説します

自己破産によって退職金が没収されてしまうかどうかは、破産手続きのタイミングや今後仕事を続けていくかどうかで大きく異なります。

今回はケース別に、退職金がどのように扱われることになるのか見ていきましょう。

 

まだ退職金を受け取っていないとき

まだ退職金を受け取っていない場合、「将来的に退職金を請求できる権利」、つまり退職金債権も換価処分の対象となります。

法律で退職金債権は3/4相当の金額の差し押さえが禁止されています。

よって実質的に没収されるのは、退職金の1/4相当の金額となります。

 

直近で退職する予定がない場合

破産手続き開始時点で退職する予定がない場合、現段階でどのくらい退職金がもらえるかを調べる必要があります。

会社に「退職金見込額請求書」を発行してもらい、その金額の1/4が没収されるという考え方でOKです。

 

ただしこの場合、退職していないのに、破産管財人によって会社宛に退職金の1/4が請求されることになります。

すると、会社に自己破産のことがバレてしまう恐れがありますよね。

会社側は、自己破産を理由に従業員を解雇することはできません。

しかし、今後勤め先で肩身の狭い思いをすることになりますし、最悪辞めてしまうような事態に発展するおそれもあります。

そのため一般的には、破産者が破産管財人に退職金の1/4を支払う、という手続きを行います。

これにより会社に退職金債権の差し押さえが行われることもなく、すでに回収が完了したものとして扱われます。

 

1/4の支払いが大きな負担になってしまうときはどうする?

一般的に勤続年数が長いほど退職金は高額です。

1/4とはいえ、事前に支払えと言われても難しい場合があります。

退職金の1/4を支払わなければならないから自己破産できない、というのでは本末転倒ですよね。

そこで、東京地裁を含む多くの裁判所では、退職金債権の自由財産の拡張が認められています。

これにより、退職金債権の1/8相当額だけを換価処分の対象とすることができます。

 

また退職金見込み額の1/8が20万円に満たない場合は、退職金全額を自由財産とすることができます。

つまり、現段階で会社を辞めた時の退職見込額が160万円以下の場合には、退職金債権が差し押さえられることはない、ということです。

 

退職したけど受け取っていないとき

では、すでに会社を退職したけど、退職金をまだ受領していない場合はどうでしょうか。

退職後、まだ受領していないのなら、退職金の受領は確実といってよいでしょう。

この場合、退職金の1/4相当額が確実に没収されると考えておきましょう。

 

今は退職していないけど、破産手続き中に退職するとき

一般的に、破産手続き開始時点での財産を対象に、換価処分となるかどうかが決定されます。

しかし、「まだ受け取っていないから処分の対象にならない」という事態は避けるべく、退職金債権の差し押さえが認められているのです。

今は退職してないけど手続き中に退職する、というような場合も同様です。

この場合も退職金がもらえることは確実ですし、退職金の1/4を破産管財人に支払うことができますので、当然処分の対象となります。

 

すでに退職金を受け取っているとき

では、退職金を受領したあとに自己破産手続きを始めた場合はどうなるのでしょうか。

この場合、「退職金」というくくりではなく、「現金」「預貯金口座」として扱われます。

自己破産後は、99万円以上の現金は換価処分対象となります。

預貯金口座に20万円以上入っている場合、その口座も換価処分の対象となります。

お金として受け取った段階で、「給与」「年金」「退職金」「受給金」など、その種類に関係なくすべて「預金資産」と見なされます。

口座の凍結がなされた場合は、「退職金だから」「受給金だから」といっても引き出すことができなくなるので注意してください。

 

まとめ:退職金の扱いはケースバイケース。現在の退職金見込額を調べるといいかも

すでに退職金を受領しているかいないか、職場に勤め続けるかどうかで、退職金の扱いは大きく異なります。

退職金見込額が160万円以下の場合は処分の対象にならないケースが多いです。

しかし、破産手続き中に退職したとなれば、退職金がもらえることは確実となり、1/4が処分されてしまうでしょう。

またすでに受領している場合も、殆どの場合処分の対象とされてしまいます。

現段階でどのくらい退職金がもらえるのか調べておき、仕事を続けるかどうかしっかりと検討して自己破産に臨んでください。

自己破産したくないけど、借金は減らしたいなら

-自己破産による影響
-

Copyright© 自己破産するとどうなるか?その後の生活を経験者が解説|破産theリアル , 2018 AllRights Reserved.