自己破産の疑問

奨学金滞納で自己破産はできるの?保証人や信用情報への影響について

投稿日:2017年9月26日 更新日:

学生時代に借りた奨学金を返済できなくなって、滞納をする人が増えています。

社会に出た瞬間に数百万円の借金を背負わされてしまいますが、社会人に成り立てでは給料も少なく、生活していくだけで精いっぱい。

とても奨学金の返済なんてできない人がたくさんいます。

お金を返せなくなったなら自己破産などの債務整理をするのが一般的です。

ですが奨学金は金融機関から借りたお金ではないので、自己破産での債務整理ができるのか、ちょっと判断に迷うかもしれません。

ここではそんな奨学金と自己破産の関係について説明します。

 

このページでわかること

奨学金の返済ができなくなったときに、自己破産によって返済額をゼロにすることは可能です。

ただし、その返済は保証人や連帯保証人に引き継がれます。

自分だけ借金に追われなくなる代わりに、親しい人が返済に苦しむことになります。

奨学金を返済できなくなったとき、いきなり自己破産を申し立てるのはNG。

日本学生支援機構に相談して返済額を減らしてもらったり、返済を一時的に止めてもらったりしましょう。

自己破産すべきか迷っている方へ

 

奨学金滞納で自己破産することはできるの?

学生時代に借りた奨学金を返済できなくなり、滞納している人の数は30万人以上と言われています。

これは決して少ない数ではないですよね。

いつ誰が同じような状況に追いやられるかわかりません。

大卒の場合の給料はほぼ横並びですので、滞納の可能性はすべての人にあります。

借金の平均額は約290万円で、もちろんそれ以上の借金を背負っている人もいます。

その借金は自己破産によってゼロにすることはできるのでしょうか。

 

奨学金の返済ができない時の自己破産は可能!

結論から言えば、奨学金で借りたお金の自己破産は可能です。

自己破産することによって、数百万円の借金をゼロにすることができますし、借金の返済に追われる日々から開放されます。

ただし、自己破産をしてしまえばそれでおしまいというわけではありません。

奨学金を自己破産してしまうと、様々な影響が出てしまいます。

自分だけ開放されればそれでいいと、単純にそうは言えない仕組みが奨学金にはあります。

 

奨学金の支払い義務はどうなるの?

奨学金を申し込むときに、連帯保証人もしくは保証人というものを依頼しているはずです。

記憶にないという人は、日本学生支援機構から送られてきた、貸与奨学金返還確認票を確認してください。

そこに連帯保証人、もしくは保証人の名前が記載されているはずです。

もし奨学金を借りている人が自己破産してしまうと、奨学金の支払い義務は、その保証人に移ります。

自己破産をせずに、滞納を繰り返している時点で保証人に請求が行くこともあります。

ほとんどの人が親か親戚にお願いしていると思いますが、そちらに支払い請求が行われます。

 

自己破産した時の信用情報や保証人への影響とは

自己破産をして奨学金を返済しなかった場合、保証人や連帯保証人に請求が行くことを理解してもらえたかと思います。

これ以外にも自己破産をしたことによる影響が発生します。

どのような影響が出るかについて紹介します。

 

ブラックリスト入りする

自己破産をするとブラックリスト入りしてしまいます。

ブラックリスト入りとは、「個人信用情報機関」に、事故情報として自己破産の事実が残ってしまうことを指します。

そうなると最短で7年間はお金を借りることもできませんし、クレジットカードを持つこともできません。

長期の滞納を繰り返すだけでも、5年間はその情報が信用情報機関に残ります。

社会人になってクレジットカードを持てないというのは、かなり不便なことになります。

仕事でかかった費用の立替などもすべて現金で行わなければいけませんので、常に現金を用意しておく必要があります。

 

自己破産の連鎖

自己破産をして奨学金をゼロにしても、保証人や連帯保証人に請求が行きます。

そこで支払いができればいいのですが、奨学金が多額な場合は、保証人や連帯保証人でも返済ができずに、そこでも自己破産が発生する可能性があります。

自分だけでなく、家族まで自己破産させてしまう可能性があります。

自己破産にならなくても財産の売却など、大きな負担をかけることになります。

自分だけ借金から逃れられても、家族などの自分の身近な人が借金の返済に追われることになります。

普通の借金のように、自己破産すれば借金問題はすべて解決というわけにはいきません。

周りの人も不幸にする可能性があるのだと覚えておきましょう。

 

奨学金で自己破産してしまう前にできることってあるの?

自己破産が絶対にNGというわけではありません。

ただし、保証人や連帯保証人について考えると、簡単には自己破産できませんよね。

そんな人のために自己破産前にできることについて紹介します。

  • 減額返済制度を利用する
  • 返還期限猶予制度を利用する
  • 返還免除制度に該当していないか確認する

 

基本的な考え方は、月々の返済額を減らしてもらう(減額返済制度)方法。

もしくは、返還を一時的に停めてもらう(返還期限猶予制度)のいずれかで対処します。

年収が少ない場合は、月々の返済額を減らすことができ、返還で出来ない場合は、最大10年間返還を遅らせることができます。

どちらも利用するには、一定の条件が必要です。

 

減額返済制度を利用する条件

1 災害や傷病、その他経済的理由で奨学金の返還が困難であること
※年間収入金額325万円以下、給与所得以外に収入がある場合は225万円以下
※扶養している家族がいる場合、1人につき38万円を控除できる
2 奨学金返済を延滞していない
※延滞している場合は解消後から願出が可能
3 口座振替(リレー口座)加入者のみ利用可能
4 月賦の変換方法でのみ利用可能
5 「個人信用情報の取扱いに関する同意書」が提出されていること

この制度は、毎月の返済額を減額し、返還期間を延長するものです。

返済期間が伸びることで返還予定総額が減るわけではないので注意しましょう。

また2回続けて振替不能になった場合、制度適用が取り消されますので気をつけてください。

 

返還期限猶予制度を利用する条件

返還期限猶予制度には2つの種類があります。

  • 一般猶予
  • 猶予年限特例または所得連動変動型無利子奨学金の返還期限猶予

なかでも「一般猶予」は申請事由によって所得条件などが異なっています。

ここでは各事由のおおまかな条件についてご紹介します。

詳細な条件や留意事項は、日本学生支援機構のHPで確認してください。

一般猶予の申請事由 条件や注意事項※詳細はHPを確認してください
傷病 年間所得200万円以下
生活保護受給中 生活保護受給証明書の提出が必要
入学準備中 予備校の在籍証明書の提出が必要
失業中 証明書+申込機関に限定あり
経済困難 年間所得300万円以下
特別研究員 研究員の証明書などの提出が必要
新卒等 提出書類によっては「経済困難」と同じ審査基準
災害 罹災証明書の提出が必要
産前休業・産後休業および育児休業 経済困難の証明書および休業証明書が必要
大学校在学 在籍証明書が必要
海外居住 年間所得300万円以下
今年海外から帰国 年間所得300万円以下
海外派遣 年間所得300万円以下
外国で研究中 年間所得300万円以下
外国の学校へ留学 申請方法が複雑なので公式HPを要確認
数年延滞している場合の猶予申請 各種証明書の提出が必要

基本的には「年間所得300万円以下」かつ、何らかの証明書の提出が必要となります。

これは「猶予年限特例または所得連動変動型無利子奨学金の返還期限猶予」でも同様です。

特に数年間延滞している場合には「その期間なぜ返還できなかったのか」を証明する証明書が必要になります。

どの事由で申請する場合でも、公式HPの条件や手続方法を確認してください。

参考:日本学生支援機構一般猶予
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/index.html

 

とにかく、返済できそうにない場合は、一度日本学生支援機構に相談してみましょう。

また、奨学金には返還免除制度というものがあります。

例えば障害がある場合には、返還が免除されることもあります。

こちらも該当する場合は相談してみましょう。

 

まとめ:奨学金で自己破産は可能。ただし保証人への影響は考慮して、事前に各種制度を利用しよう

奨学金は借金ですので、自己破産によって返済を免れることは可能です。

ただし、連帯保証人や保証人を立てていますので、返済できなくなると、そちらに請求がいきます。

ほとんどの人は親がそれに当たりますので、家族が奨学金を返していくことになります。

それだけでなく、自己破産をするとブラックリスト入りしたり、家族も自己破産をしなくてはいけなくなったりします。

なので、できれば奨学金の自己破産は避けたいところです。

奨学金の返済が難しくなったときには、自己破産を検討する前に、返済額を減らしてもらうか、返済を一時的に止めてもらえるように日本学生支援機構に相談しましょう。

収入状況によっては、返済条件を変えてもらえますので、まずは相談することから始めましょう。

それが認められない場合は、連帯保証人や保証人と相談をしてみましょう。

彼らに請求が行くのであれば、そもそも自己破産をすることに意味がありません。

その相談がうまくまとまらずに、どうにもならないのであれば、弁護士に相談するようにしてください。

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