自己破産の疑問

自己破産しても免責が下りない。免責不許可事由ってどんなこと?

投稿日:2017年6月22日 更新日:

自己破産を宣告しただけでは、必ずしも借金がなくなるわけではありません。

自己破産は、まずはその宣告を裁判所に受け入れてもらう必要があります。

なおかつ借金を返さなくてもいいという免責の認可があって、初めて借金をゼロにすることができます。

ここではその免責の認可について、どのようなケースで降りないのか、不許可になった場合はどうすればいいのかについて解説します。

 

このページでわかること

自己破産の申し立てをしただけでは、借金がゼロになるわけではなく、裁判所が免責を認めることで、自己破産の借金を返済しなくてもよくなります。

ところが、どんな借金でも免責が認められているわけではありません。

免責が降りないケースについては、破産法により定められています。

ただし不許可事由に該当するからといって、必ずしも免責が降りないわけではありません。

裁判所が免責を認めない理由にできるだけで、不許可事由があっても認可されるケースも珍しくありません。

また免責を認められなかった場合は、抗告をするか、他の債務整理方法に切り替えるか、時効を待つかのいずれかの方法を選択します。

 

 

自己破産における「免責不許可事由」ってどういうこと?

自己破産の宣告そのものは誰にでもできます。

ただし、その自己破産が正当なものであるかどうか、裁判所が判断します。

問題がないと判断された場合にのみ、借金を返さなくてもいいという免責の認可が降ります。

 

それではどのようなケースで、不当な自己破産だと判断されるのでしょう。

この基準については、破産法に明記されています。

免責不許可事由にはいくつかの種類がありますので、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

  1. 財産の隠匿・損壊・価値の減少
  2. クレジットカードの現金化
  3. ヤミ金業者から高金利でお金を借りる
  4. 浪費やギャンブルによる借金
  5. 返済できなくなるとわかっていたのにお金を借りた場合
  6. 債権者名簿で虚偽の申告をした場合
  7. 破産手続きにおいて説明を拒んだり虚偽の説明をした
  8. 破産管財人の職務を妨害した場合
  9. 過去の自己破産から7年以内の再申し立て

 

財産の隠匿・損壊・価値の減少

自己破産をすると借金をゼロにできる代わりに、財産もゼロになります。

そのため、財産は売却しなくてはいけません。

しかし、この財産を隠しておけば売却せずに済む…と考えて、隠匿するようなケースがあります。

これは「財産隠し」と呼ばれ、免責不許可事由に該当します。

他にも、債権者に返したくないという理由で財産を意図的に壊す、財産を知り合いに譲るなどをした場合には、不許可自由として免責が認められません。

 

クレジットカードの現金化

お金が必要になったときに、クレジットカードで商品を購入し、それを売却してお金を得る「クレジットカードの現金化」という手法があります。

自己破産の申し入れをした後にこの方法で借金を作った場合、不当な借金として免責は認められません。

 

ヤミ金業者から高金利でお金を借りる

ヤミ金業者からお金を借りるだけでは免責事由にはなりません。

しかし破産を申し立てた後にヤミ金業者からお金を借りた場合、破産手続開始を遅らせようとしたと見なされ、不許可事由となる場合もあります。

 

浪費やギャンブルによる借金

明らかに購入する必要のないブランド品などを買い漁ったり、ギャンブルのために作った借金があったりする場合も、免責が認められません。

 

返済ができなくなると分かっていたのにお金を借りた場合

破産手続開始の申し立てのあった日から過去1年間に、借金の返済ができないことがわかっているのに、虚偽の申告をして借り入れをした場合は、免責不許可となります。

 

債権者名簿で虚偽の申告をした場合

債権者の中に友人がいて、その友人だけには借金を返したいとして、債権者名簿から外して裁判所に提出した場合も、虚偽の申告ということで免責は認められません。

 

破産手続きにおいて説明を拒んだり虚偽の説明をした

破産手続きをするときに、裁判所は債務者に対して聞き取り調査などの面談を行います。

そこで調査に協力をしなかったり、嘘の説明をしたことが発覚したりした場合は免責が認められません。

 

破産管財人の職務を妨害した場合

自己破産をするときに財産があれば、破産管財人が財産の調査や管理を行います。

その職務を意図的に妨害した場合は、免責が認められません。

 

過去の自己破産から7年以内の再申し立て

以前に免責が認められている場合、それから7年経過しなければ免責は認められません。

個人再生の給与所得者等再生や、ハードシップ免責などの許可を受けている場合も、7年間は免責が認められません。

 

不許可事由に該当すると絶対に自己破産することはできないの?

免責が認められるための条件のハードルが思いのほか高いと感じたかもしれません。

ただし、上記で紹介した不許可事由があるからといって、必ずしも免責が降りないというわけではありません。

不許可事由というのは、裁判所が免責を認めない理由にしていい条件だと考えてください。

基本的に裁判所は、免責を認めるかどうかについて機械的に分別するのではありません。

どちらかというと、個々の事情を判断して免責の可否を決定します。

このことを裁量免責と呼びます。

 

裁量免責とはどういうものなのか?自己破産が認められるケースとは?

例えばギャンブルで借金を作った場合は、免責不許可になるとされています。

ただし自己破産をする理由として、ギャンブルで作った借金がそれほど大きな額でなければ、裁量免責として免責を認めてもらえることもあります。

総合的に判断して、不許可事由があまりにも大きいような場合は免責を認めず、それほど大きくない場合は多くのケースで免責が認められているようです。

ただしこれはケースバイケースでまったく違いますし、裁判所によっても判断が別れることもあります。

該当する事由がある場合は、まずは弁護士に相談してみましょう。

免責認可で不利になるからと思って隠しておくと、さらに不利な状況に追いやられてしまう可能性もあります。

 

弁護士や裁判所には絶対に嘘をつかないようにしてください。

また破産手続きに協力的出なかった場合は、重大な不許可事由と判断されます。

自己破産の申し立てをしておきながら、その手続に協力しないというのでは本末転倒です。

必要な面接や債権者集会に出頭しない、破産管財人の調査の邪魔をする…。

こうした行為を取れば、確実に免責が認められなくなりますので注意してください。

 

免責不許可になった場合はどうなるの?

裁判所は基本的に、免責を認める方向で破産手続きを進めてくれます。

それでも重大な不許可事由があるような場合は、免責が不許可になることがあります。

そんなときはどのような対処をすればいいのでしょう。

一般的な対処方法は下記の3つです。

  • 1週間以内に抗告をする
  • 個人再生や任意整理に切り替える
  • 借金の時効まで待つ

 

 

1週間以内に抗告をする

もし不許可になった事由が納得行かないものだった場合には、高等裁判所でもう一度判断してもらうことができます。

これは普通の裁判と同じ考え方です。

抗告をするための期限は1週間以内で、費用は2千円くらいしかかかりません。

ただし抗告をしたからといって必ずしも免責を認めてもらえるわけではありません。

再度認められなかったときのことも考えておきましょう。

 

個人再生や任意整理に切り替える

もし安定した収入を得られるのであれば、自己破産ではなく個人再生や任意整理という方法に切り替えることもできます。

自己破産をするくらいですから、任意整理をしても、借金返済を考えるのは難しいかもしれません。

しかし、個人再生ならなんとか返済できる、という人もいるはずです。

個人再生ならばギャンブルで作った借金も債務整理することができます。

どの債務整理を選ぶかは弁護士と相談して決めるようにしましょう。

 

借金の時効まで待つ

自己破産の申し立てをすることは債権者に伝わっても、不許可になったことは伝わりません。

このため、そのまま放置をして借金の時効を待つという方法もあります。

ただし、債権者から訴訟を起こされると時効はリセットされますので、ほぼ永久的に借金を背負い続けることになります。

給料の差し押さえや、クレジットカードを持てないなどのリスクがあります。

そういう方法もある、というくらいに、頭の片隅に置いておきましょう。

 

まとめ:免責不許可事由に該当すると自己破産できない。嘘なく正直に申告しよう

自己破産の申し立てを行っても、それだけでは借金がなくなるわけではありません。

裁判所によって、借金を返さなくていもいいという免責が認められて初めて、お金を返さなくてもいいという状態になります。

免責が降りない理由としては、ギャンブルや無駄遣いで借金を作った場合などが主に挙げられます。

それ以上に重視されることが、破産手続きに対して協力的であったかどうかというところです。

借金についてきちんと反省しているかどうかという点が、認可のためには重要です。

不許可事由があったとしても、絶対に免責が降りないというわけではありません。

裁判所の裁量免責によって免責許可となることのほうが多いため、自己判断を行わずにまずは弁護士に相談してみましょう。

免責が降りない場合は次の3つの方法で対処します。

  • 抗告をする
  • 他の債務整理方法に切り替える
  • 借金の時効を待つ

一般的な方法は抗告をした上で、再度認められなかったときに個人再生任意整理で返済を行います。

借金の時効を待つという方法もありますが、リスクが大きいということをしっかり認識しておきましょう。

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